1月28日 (火)  小屋番の会話

朝一番のバスから6台目まで、小屋に寄る人は居ません。
解っちゃいますが、それでも、「登山口はドコ?」の人の為に、閉めておく訳にもいきません。しかし、前にも書いたように、この手の登山者は、この季節、殆どいません。
小屋に寄る人と言えば、バスの登山者がひと段落する頃から増えてくる水分補給の自転車と、ノンビリ登山の若いカップルや、ご夫婦、家族連れです。
まあ、一番バスで来て大山へ登ったら、お豆腐屋さんがお店を開ける前に下山してしまいますからね。

11時頃、大山へ登る50代くらいのご夫婦が小屋に入ってきました。
旦那さんが、「オッ!、いい手拭いがある。」と、私に、「これいくら?。」
隣に居た奥さんが、「これから登るんじゃない。帰りにしなさい。」
「登る時にいるだろ」と、旦那さん。
「登る時に持ってったら、汚れるじゃない」。
奥さんの一言で、「じゃ、帰りにしよう・・」と、気弱な旦那。

午後の2時すぎ、「ビール」と言いながら小屋に入ってきた60代後半のオバサン。
「私の実家ね、この麓の東田原ってとこ。知ってる?。知ってるよね、地元だもんね。
いま、東京に住んでるけど、実家を継いでる妹が、戻ってこい戻ってこいって言うの。
なんの事はない、親の介護ですよ。こっちが介護されたい歳なのにね〜。旦那が居なくなって5年、やっと、少し自由になれたのに、50年も世話になってないんですよ親には・・、今更ね〜。好きな山に登れるようになったんだから・・。オジさんはいいね、ここなら何〜にも考えないで生きて行けるでしょう。羨ましいな。アッバスが来た、じゃあね。」・・て、返事一つの時間がなかった・・。と、言うより、私しゃ何も聞いてません。すごいバ〜さんだな。足と口と、どっちが丈夫なんだろう。あれじゃあ当分、介護は必要なし。

最終バス10分前の女の子。「オジさん、この手拭いの葉っぱ、なんか意味があるの?。」
「山で植えてる木の葉をデザインしたもの・・。これがブナ、これがミズナラ、これがハン、手拭いが3本売れると、苗木1本分の収入になるんだよ・・。」「へ〜、山に植林してるんだ。オジさん、すごいんだね。じゃ3本。」

一日の締め括りが、いいお客さんで良かった。

写真は、大山を目指して元気な子供達。

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