6月30日 (水)  短絡的役人に、これが水源税の使い道。

今月最後は楽しい日記を・・と思ったが、世の中そんなに甘くない。
話せば長くなるので「我が阪神」と考えて頂けば理解できるだろう。

ただし、久しぶりの横浜(と言っても県庁に直行直帰)、いいこともあった。

嫌だ嫌だと思いながら出掛けた県庁で可愛い娘に抱き着かれたことだ。
ドアの向こうで誰かが笑ってるのが見えた。
もうちょっと長く抱きついて欲しかったな〜。
でも、これが無かったら帰り道、「鬱」になってたな〜。

オリンピックに関係したお仕事をする人には申し訳ないけど。
自粛を重んじ我慢していた県境越えの山行。
ところが総理大臣は外国に行っちゃうし、様々な国から人が集まるオリンピックは強行開催するみたいだし、私も我慢の限界。

と言っても、政治家と違って一応真面目な一国民。
県境を跨いだのは一度だけ、それも、言う所の直行直帰。
駐車場ではトイレも使わず、コンビニも我が県内で済ませる遠慮振り。

ココから先は、発行する「丹沢だより」597号に掲載する私の原稿の先取りです。
少し長くなるので、つまんなきゃ寝てください。

5月の連休明けから自主的自粛解除で山歩きを再開・・と言っても取り敢えず、県内・丹沢のみ。

これじゃ足がダメになる・・と思って歩き出した切っ掛けは二つ。
一つは森の学校「春の教室」。
イタツミ尾根と北尾根を下見・本番と2回歩いて、大山の楽しさを再認識。
コロナで遠くへ行けないし、県境越えも自粛継続で取り敢えず裏山で満足しよう。

もう一つの切っ掛けは「膝が痛い」。
・・と言っても、大山から30分で降りて来ても痛くならないのだが、家の中や玄関先の道路で突然、膝がギックリと痛くなる時がある。
・・で、トレランするスポーツトレーナーに「膝が痛い」と相談。

「ちょっとおいで、診てあげる」と言われるかと思いましたが、期待に反してメール問診は「歩けば治る」でした。

この二つが切っ掛けで5月と6月で8回の山歩き。
と言っても近場で花を求めて藪と沢を歩いた2回。シロヤシオとブナの新緑を求めて三ノ塔2回。
植樹後の成育状況の確認と足慣らしで大山2回。
でもやっぱり行きたいな〜・・と、堂平と丹沢山1回。
そしてあと1回は県境越え、ナイショの山。

初夏の花々の美しさやブナの新緑は言うまでもない。
せっかく山を歩いているのに、楽しまなきゃと思いながら、どうしても気になるのは、植生の回復状況や登山道の改修工事のその後。

高標高域の鹿の数の減少は足跡を数えなくても植物の生育状況で解る。
元はと言えば低標高域を棲息域とするシカを高標高域に追いやった人間が一番悪いのだが、反省のない生きものには何を言っても通じない。
故に植生の回復は、責任を転嫁されたシカの、まさに命の代償だ。

そこで一つ提案だが、行政の管理体制は、いつまで経っても個体数調整に拘っているように見える。
この拘りは、なし崩し的な税の投入の継続である。
そろそろ次の段階に入って欲しいところだが、行政内の調整が進まないのか生息環境に関わる森林管理は「遅々として」・・と言うよりまったくと言う程に取り組まれていない。

野生動物の管理は森林管理と一体でなければ意味をなさない。
・・と、つまんない事ばかり考えていると、名残のシロヤシオを見ても「オ〜ッ!きれいじゃん」と感じるところが「もう終わりか」と、悲観的な想像になり、せっかくの山歩きが楽しくない。

その中で、明るい話題明るい話題と、話題探し。
あったじゃないですか。
事業の一つに明るい話題。
登山道の改修だ。
改修効果と言っていい。

改修内容は遡るが、私のような高齢登山者が多い昨今、あの階段の絶妙な段差は誰がどうやって判断したのか・・と思う程に歩く安い。
よって、疲れない。

ただし言いたいのはそこじゃない。
これまで登山道は登山者の入山数に比例し、人が集中する道ほど「樋」状になっていた。
その結果、雨が降れば樋状の流れを避けて歩き、道幅は左右に広がる。
そこで様々な歩道改修の結果、歩きを制約する今の構造階段になったと推測する。

無粋だ・・とか、山に似合わない・・とか、挙句に登りはいいけど下りは歩幅が合わない・・とか、まあ、人間とは我儘な生きものだ。

その構造階段、何が一番目を引いたかと言えば、階段の下の植生回復だ。
階段の間から笹やウツギが顔を見せている。
数年前から気になっていたが、覗きが好きな私は一段ごとに覗くことがある。

ツルシロカネソウやマイヅルソウ・・etcと、可愛い草花も咲いている。
構造階段は単純に人を歩かせない(踏圧)ことで、樋状になった登山道の掘削を抑える程度にしか考えていなかった。
土の流れを止め植生を回復させたことは正直、驚きだった。

しかし、効果を強調すると、アッチにもコッチにもお願い・・となりかねない。
すべてを同じ手法で対応するのは無理があるし予算にも限度があるだろう。
そこで登山道に等級を付けたらどうか、等級に応じて改修も異なる・・みたいな。

しかし、私のように年齢を顧みず実力過信みたいな人も居るだろうし、等級に挑戦みたいな人が増えるとそれも困る。

制限字数が終わる前に、更に提案が二つ。
神社の寄進ではないが登山道整備に企業や個人の寄付を募ったらどうだろう。

水源の看板のように自己主張が強くなくていい。
登山口に看板を設置してもいいし、階段に企業名、個人名を貼りつけてもいい。
改修の改修まで、長い期間いい記念になりそうだ。

もう一つは、公園事業専用のモノレール設置。
現在は林業や治山を目的とした事業専用のモノレールのため登山道整備には有効でない。

これは書くと長くなるので次回以降にするが、公園専用モノレール設置は登山道改修だけでなく登山者の不慮の事故にも即応できる。
あんな事、こんな事を考えながら8回の山歩き。
欝々が多かった5月6月でしたが楽しい時間も多かった6月でした。

写真は階段効果と杉人工林の崩壊地&杉人工林の風倒木地。
小さなところから手を付けないと崩壊は更に広がる。
将棋倒しのような60年生杉の風倒、こうなってからじゃ遅いのです。

県民が納得して納める超過課税(水源税)が県民との「約束ではない事業に使われようと計画(画策と言ってもいい)されています。

市民の知らない間に・・と言うのは「国」だけと思っていました。
仮に他県がそうでもウチ(神奈川)は違うと思っていました。

同じですね・・役人の根性を今更ながら再認識しました。
偽造・捏造・改竄の三兄弟は役所の中で生まれ役所の中だけで育つ。

故に、県民との約束は反故も当たり前と教育されているかのようだ。
同じ税金でも超過課税は性格がチョイと違う。
そこまで「知らん」とは言わないだろうと期待し、目的に適うよう願いたいもの。

見続け言い続け、それでもダメなら「超過課税」に反対しよう。
・・と感じた6月でもありました。

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