きまぐれ日記<台風編>

連休が終わったら・・八ヶ岳・・と予定していたら。
「遊ぶ事ばかり考えているんじゃない!」と神様のお怒りか。
台風は予想通りに直撃。
気象庁予報・・久しぶりに大当たり。
当たって欲しくなかったけどね。

丹沢は800mmを越える超豪雨。
頼みの綱の電気が消えた。
停電は電話がペケ、ネットもペケ、ケータイも使えません。

オマケに途中で数か所の崖崩れ、直径30cmほどの木が3本根ごと押し出され、その中に電柱が一本折れて道路の真ん中に立っています。
電気は東電任せですが千葉が忙しくてコッチまで手が回らないか。
見回りに来ては「早急に対処します」。
言いたくないけど見回りだけは何回も来る。
どうせ電気は通ってないので、せめて電柱から電線を外すだけでいい。
電線を外せば道路の土砂除去がすすみ、水道は自分で治せます。
しかし、頼みの東電も住人7人の限界集落に迅速さの要求は無理なようだ。

10分を待たず水も止まった。
水は自己水源で落差利用の水道・・どこかで崖が崩れてホースがちぎれたか?。
翌日に案の定、水道ホースは50m前後が山腹崩壊に伴い立ち木や土砂に埋もれています。
自己水源の取水までは1,2km、流出した長さのホースを運べません。
と言うより、県道が通れなきゃ、まずは麓の秦野市の管材屋までホースを購入するため出かける事が出来ません。

お昼頃、行政区分で言えば管轄外の秦野市側から土建屋さんのペイローダーが入って来た。
清川村からは通行不能なので「取り敢えず通れるように」と役所から言われた・・と、除去幅は役所から言われた通りの車一台分。
次に大雨が降れば元に戻りそうだが、それでも嬉しい土砂除去だ。

ところで誰かペイローダーかバックホーを貸してくれないかな〜。
私が自分で運転するのでオペレーターは必要なし。
オリンピックが終わったら建設不景気が始まると言うけど、重機が余るその時までは待てないな。
取り敢えず役所の対応に期待しよう。

これまでは大雨でも山の中ゆえ安心していた川の水が今回は泥濁り。
綺麗な水を求めて大雨による簡易湧水を求めて、歯ブラシタオル、ヤカンを両手に右に左。
砂漠の旅人の苦労がしのばれる。
朝の洗顔、歯磨きは近場の湧水へ・・正真正銘のアウトドア生活。
人的被害がなく家がなんともないのは不幸中の幸い。

しかし陽が短くなったものだ、夕飯を食べたらやる事がない。
昼間の養魚場往復と仕事疲れで18時半に就寝。
良く寝た〜と、目が覚めたら、まだ0時半。
仕方ないのでまた寝る。
2時3時4時5時と目が覚め・・仕方ないので起きる事にした。
今日の洗顔&歯磨きは川原の湧水へ。
お家の洗面所より少々遠いが、例え霧雨の中でも、緑と空の下の洗顔は気持ちがいい。

今日は「まず!水!」と言う女房の為、何がナンでも1,2kmの水道治し。
流出したパイプの不足分は運べないし、麓からの購入も出来ないが、今日出来る事を今日までに・・なんちゃって。
それにしても山から押し出してくる土砂の量の多さは20代の時のS47年丹沢豪雨を思い出す。

まずは「お魚に水は命」と、養魚場を埋めた土砂を取り敢えず除去。
・・と言っても午前中に取水口と砂利落しの砂利除去。
その後、ひと池ずつ砂利と泥を除去していく。
被害の度合いに相違はあるが、45年前30年前20年前と養魚場が埋まる大雨被害があった。
山の中での生活は天災と同居みたいなところがある。
50年の人生でも被害対応は人力に変わりなし。
ただし以前と決定的に違うのは筋力の低下、持久力なし。
若者を横目に、出るのは力より溜息だ。
取り敢えず午前中の作業終了。

行政の林道の土砂撤去が始まらないため、昼食へ帰る頼りは我が足のみ・・と、足取りも重い。気温10℃は「作業に適温」と言いながら、小雨の中の半日は結構体が冷えるもの。
早々に昼食を済ませると雨具を着るのが嫌になる前に水道復旧作業。
まずは新井と若者が水源に・・娘も後を追う。
オイオイ、沢の流れは速いぞ、その先は山が崩れているぞ。
行くのはいいけど滑るなよ、崖を落ちるなよ。

私はパイプレンチを持ってエア抜き場所で待機。
30分後、エア抜きから水が出た!。
50mmのホースを右から10mほど手繰り寄せ、パイプレンチでスチール製ジョイントを締める。
両手で左右逆方向に占めるのはこれが結構、力がいる。
一昔前ならチョイチョイだったが、いまじゃ情けないほどに腰に力を溜めないと締まらない。

その先その先と、土砂に埋まったホースを引出ながら、運の良い事に繋ぎヶ所は3ヶ所。
エッチラオッチラの作業に秦野に住む若夫婦(?)が助っ人に来てくれた。
こんな時の人手は猫の手の100人力だ。
おかげで3時間後、無事に通水。
取り敢えず蛇口から「水」が出ると、今度は「お湯が沸けばな〜・・」と、人間とは贅沢なものだ。

数年前に東電から提供された発電機のエンジンを掛ける。
エンジンは勢いよく回ったが何故か発電せず。
発電しない発電機は残念ながら無用の長物。
仕方ないので重労働は私より年下に任せ、発電機を求めて役所へ出かける。

途中、ヤビツ峠を少し降りたところで所沢ナンバー「オッ!加藤・・!」。
狭山ヶ丘の人形屋の加藤が土砂除去の助っ人に来てくれた。
嬉しいな〜と思いながら先へ急ぐと、今度は別の顔なじみの協会員二人に会う。
我が家の土砂除去に来たとか・・都会生活でスコップ持ったことあるの?等とは言わない。涙が出るほど嬉しい。

お陰で足取り軽く清川村総務課へ「発電機を貸して・・」と依頼。
通行止め県道が「秦野側が通れるようになった・・と聞いたので行くつもりだった・・」との事。
「発電機は重いのでこちらからお届けします」と嬉しい対応。
次はその足で七沢の保全センターへ。
丁度玄関先で所長と企画部長と公園課長にバッタリ。
2階に上がる手間(足)が省けた。
持って行ったカメラで道路や山腹崩壊の現況報告。
ついでに、この木を切って、林道の土砂除去を連絡して・・とお願い。

アッチ&コッチを回っていたら、歯医者の予約時間に間に合わず。
受付の可愛いね〜ちゃんに断りの電話を入れる。
「忙しいから予約忘れているかもね・・と先生と話していた」とか。
「次は時間のある時に何時でもいいですよ・・」と嬉しい返事。
女房に頼まれた食料品と電池&ランタン等を購入し、大好きな31のラムレーズンアイスをあきらめ山の中に戻る。


お家へ戻りしばらくすると、約束通り、村長自ら軽トラで発電機と飲料水を届けてくれた。
大感謝、大感激。
今夜からは秦野の風呂屋まで行かなくても風呂に入れる。
ビールが飲める。