丹沢自然保護協会 イベント情報

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丹沢自然保護協会のイベント情報を掲載します。
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衰退する丹沢の森:原因解明とこれから

9/21(土) 神奈川大学六角橋キャンパス3号館305講堂
(何方でも参加できます・無料)



丹沢フォーラム

11/16(土) 開催

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 昨年の5月にブナ林再生の現地を訪ね、秋には高標高域人工林施業地、この5月には丹沢主脈の表尾根に自然公園の利用と整備など、各事業に伴う効果や期待などについて県の事業担当者から説明を受けました。
各フォーラムに参加した方々の感想は実施翌月の会報に掲載してあります。
そこで今回の丹沢フォーラムは丹沢の麓に広がる二次林を訪ねます。
都市から丹沢を見て最も面積を多く有する山麓部の森を、私達が最も手軽に利用できる自然環境として、あるいは昔からそこに棲む野生動物の棲息域として、私達と森の関わりが丹沢の自然再生にどう繋がるかを考えたいと思います。

 秦野市や伊勢原市など丹沢山麓の地方都市周辺には農業が盛んだった時代に利用された雑木林が多く残されています。
しかし、その多くは利用の在り方を失い長く放置され、荒れた状況になっています。
一口に丹沢と言っても里山から山頂まで森や渓流の様相は標高ごとに性格を異にします。

 前号に書きましたが、昨年から今年に掛けて実施した現地フォーラムに共通する事は、テーマである丹沢の自然再生事業である事に加え、それぞれの事業に一部と言え水源税が充てられている事です。
この税は丹沢の水源環境を守るために行政が理念と施策方針を県民に約束し官民合意で設置された制度です。
20年と言う時間制限の制度ですが、元々は市民サイドから提起された税制度です。
しかし、県の会議等でいつも発言しいつも書くことですが、納得する事業内容もあれば3回首を捻っても理解し難い事業もあります。
これまで鳥獣による農業被害軽減のために、山麓部の二次林(雑木林)の維持と整備の必要性を訴えますが、お決まりの「財源が・・」で終わってしまいました。

 会報でも耳に蛸の繰り返しで申し訳ありませんが、いま実施する県民負担による超過課税制度は県民に美味しい水の安定供給を約束した水源環境整備が目的です。
「美味しい水の確保が目的なのに、なんでダムより下の、それも都市周辺の森林整備をするの?」と質問したところ、制度設置のための検討会議の時は表現すらなかった「県民が恩恵を受ける水はダムだけじゃない。地域には地域の水源もあるし、田圃の水も水源環境です・・etc」と取って付けたような嘘っぽい事業説明を繰り返すようになりました。
それなら雑木林の二次林整備にも水源税を使う事が出来るよね・・と聞けば、ウニャムニャでした。今回のフォーラムでは、それをもう一度問いたいと思います。
この税で行う事業は四期に分け一期5年計画で行われています。
そして現在は三期目が最終段階に入っています。
残る四期目はこれまでの事業の総決算になると予測します。

 断定すると叱られそうですが、行政事業の多くは一度始まると立ち止まって振り向く事がありません。予算が潤沢の場合は尚更です。
過去に丹沢フォーラムでは水源税制度設置前に、里地里山を取り上げた事があります。
水源税と言う超過課税制度は県民意思の発案で始まった制度と思えばこそ、市民による意思表明が大切に思います。
すぐ身近の雑木林。利用を考えるだけでも楽しくなりませんか。
「こんなことを考えたい・・こんな場所も見たい・・」と言う要望があれば遠慮なく申し出ください。

 ご意見をお待ちしています。皆さまの参加をお待ちします。







丹沢フォーラム 活動報告


  事業地で、自然公園としての保護と利用について。利便性と制約について。
 県担当者の説明に一つ一つ頷く。 でも考えるのは行政だけじゃない。
  丹沢に関心を持つ私達一人一人の自覚と責任も伴う。
  丹沢大山自然公園の自然再生。丹沢利用者への安全や利便性対応はもちろん、公園整備から治山事業
 の植生回復まで。
  自然再生が目に見える成果を出すまでは長い時間を要する。
  しかし、ここは丹沢登山の核心部であると同時に神奈川県が取り組む超過課税による水源環境整備の対象地域
 としての核心部でもある。
  この事業に税は使えない・・ではなく、必要なものに使えるようにするのが行政だ。
  「美味しい水を安定的に供給する質の高い森林づくり」と謳う水源税が、本来の目的に沿った事業に有効に
 使われる事に期待したい。
  
  
 1)二ノ塔から三ノ塔への道。踏圧により登山道が深掘され水路となり拡幅される。2012年3月26日
 
  
 2)今回のフォーラム時、木道設置効果で植生の回復が著しい。
 
  
 3)雪解けや雨上がりの二の塔の降り。
 
  
 4)構造階段の設置により踏み板の間からも植物が芽生え土の流出も抑えている。
 
  
 5)植樹活動1996年4月
 
  
 6)今回のフォーラム時、森が再生された。
 
  
 7)新装なった避難小屋。利用者が窓を開け放したまま出て行った。
   避難小屋に常駐管理者はいません。開けたドアや窓は必ず閉めましょう。
 
  
 8)山頂整備、小屋の周辺整備に利用の小石や砂利。なんと丹沢湖のしゅんせつ砂利とか。
   丹沢から出た砂利を丹沢で再利用。もっと宣伝すればいいのに。
 
  
 9)高標高域人工林。今回のフォーラムでは予定外のはずが目の当たりにしたら話さずにいられない。
 
  
 10)尾根道を挟んで左右対称の森。風当りが違うんだよ・・では済まされない。
   高標高域人工林を自然林へ誘導の必要性。一目で解る荒廃現況。
 
  


丹沢フォーラム

【 丹沢を代表する主脈・表尾根 】
登山道や高標高域環境配慮型トイレなど公園整備事業の現地を訪ねる
整備状況や効果を検証、併せて自然公園の利用を考える

 二ノ塔尾根では人工林荒廃状況から高標高域人工林の在り方を考えます
 二ノ塔から三ノ塔までは登山道の改修とそれに伴う植生の回復などを見ます。
 昼食後、改築(新築)後の避難小屋およびトイレ等の山頂整備の説明を聞き併せて  官民協働事業である山腹緑化の効果と成果を見ます。帰りは表尾根を下山、途中で二ノ塔からガレ場までの深掘区間の登山道改修の予定や考え方などを聞きます。
 バス乗車後、ヤビツ峠でトイレ休憩し、16:00秦野駅南口着(予定)

※過去に同じコースで登山道整備や三ノ塔山頂の整備状況を見ました。
 その後、高標高域のトイレ設置、避難小屋改修設置また新たな手法の登山道整備が各路線で進捗しています。しかし、利用者の増加に止まらず行者岳新大日間あるいは塔ヶ岳山頂直下のように自然現象での崩壊も多く、まさに山は生きていることを実感します。
 それでも、木道設置など最近の登山道改修は周辺植生の回復を促し、雨水による登山道の深掘を確実に抑えています。
 県民一人一人が負担する水源環境税は真に県民の意思による独自財源です。
 特定の事業に拘らず丹沢の負荷を抑えるために税が有効的に且つ積極的に活用される事を期待し、提言型・春の丹沢フォーラムを実施します。

  (問い合わせ&申し込み)  NPO法人丹沢自然保護協会 中村道也
   TEL:0463-75-3272  e-Mail:n-tanzawa@nifty.com
   ※17日夕方以降の天気予報で18日の神奈川県西部の降雨確率40%で中止
    各自で判断をお願いします。






丹沢フォーラム ・11月10日 活動報告


 「高標高域人工林と土壌流出防止対策」を現地に学習する。
 丹沢三峰への稜線を登る。植生保護柵外での植生の回復状況。
 理屈抜き、腰までの藪の再生に感動。
 
  
 1)保安林改良事業地(土壌流出防止対策)事業効果に期待。(写真提供神奈川県)
 
  
 2)植生の自然再生が素晴らしい!と言うと「植えた」と言います。
  3p間隔で植えたのか・・と言いたくなったが取り敢えず・・・。
  あとで「植えたのは60本だけ」と聞いた。役所の実績づくりだな。
  でも60本だけのお陰で全てが自然再生と言える。
  細かい事は抜きにして結果は「事業結果」だ。お見事!。
 
  
 3)11月10日、秋の丹沢フォーラム。テーマは高標高域森林管理を考える。
  参加者41人行政7人サントリー3人報道関係2人の計53人です。
  取り敢えず目指すは目的地の長尾尾根。標高差600mスカイツリーと一緒・・とはいえ急登が続きます。
 
  
 4)手入れ不足の杉林は陽の光が入らず下草植生はまったくなし。
 
  
 5)参加者一同、息切れし始めた頃、最近に手入れされた杉林に到着。
  手入れされると短い時間でも植物が顔を出しています。環境は正直です。
 
  
 6)手入れされた杉林から少し登ったヒノキ林。真っ暗、木はぐにゃぐにゃ。
  時間が経てばいい子になる・・なんて淡い期待を持つのは我が子だけ。一回曲がった木は元に戻りません。
 
  
 7)そんな人工林でも愛おしく熱っぽく解説する県有林担当者の牧野さん。
 
  
 8)標高1,000mを越えた。最初の目的地、サントリーの森までもう一息。呼吸を整え一気登り。
 
  
 10)全国展開するサントリーが取り組む森林再生&動物との共存を目指す森づくりの話を聞く。
   会社の中に森づくりの部署がある事に参加者一同・・ビックリ。
 
  
 11)あと100m登る予定でしたが「腹へった〜」「疲れた〜」と言う人が多くブナ林でランチタイム。
   積もった落ち葉が気持ちいい。ご飯食べると元気になるのはみんな一緒。
 
  
 12)ランチタイムの後は写真を使って解説。
 
  
 13)1)に続く事業実施の測量。(写真提供神奈川県)
 
  
 14)1)13)と並び事業着手後1年目の植生回復状況(写真提供神奈川県)。
 
  
 15)そして現在の植生回復状況。野生シカを排除した保護柵の中といえ参加者も納得の成果。
 
  
 16)目指すは柵外での植生回復。これはフォーラム10日前の丹沢山三峰付近である。
   堂平から三峰の稜線へ。柵外でヤブが再生されている。
 
  
 17)牧野さんの解説、普段私が言う事と多く重なっていて突っ込みが出来なくなってしまった。
   参加者から「神奈川県って真面目ですね〜」など一様に高(好)評価でした。
 
  
 18)誰がいつ植えたか定かじゃない龍ケ馬場のヒノキ人工林。
   明るい日差しの中ヒノキ林の中だけが別世界になっている。
 
  
 19)標高1200m龍ケ馬場山頂のヒノキ人工林。下層植生は皆無でありヒノキ林下部では表土が流出している。
   この森をどうするのか、様々に投げかけているが、これに対しても一部納得する説明がもらえた。
 
  
 20)〆は公園事業でしたが、こちらは時間切れになりました。欲張りな行程に素直に反省。
   公園の中西さんには歩道整備や環境配慮型トイレ設置など「さわり」だけ説明を貰いました。
 
  
 21)公園の中西さんには歩道整備や環境配慮型トイレ設置など「さわり」だけ説明を貰いました。
   詳細は春の「丹沢フォーラム」に乞うご期待です。
 
  
 22)フォーラム終了「エ〜っ、またあの道を降りるの」と不安がる参加者でしたが、一人の脱落者なく
   下山できました。
   参加者一人一人に感想を尋ねたいところでしたが、そのうちに来るであろうメール等を心待ちしましょう。
 
  
 23)公園事業の詳細は春の「丹沢フォーラム」に乞うご期待です。
 
  

丹沢フォーラム 2018年 秋